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OROCHI!!

 こわい、と思うことはたぶん、あとからやってくる感情のことなのではないかとおもう。
その場にいるとき、何かを感じてるとき、その場では何も感情を抱くことができずにいるのに、その場を離れてぼうっとしているときに心に滲んでくる感情が、こわい、ということなのかもしれないとおもう。

「OROCHI!!〜神宮の杜〜」に行ってきました。



無声映画をオーケストラの生演奏をバックに明治神宮で見るという、
第21回東京国際映画祭の提携企画です。

ステージが暗くなって始まったのは、フェンシング。
北京五輪で銀メダルをとった、太田雄貴の試合を生で観ました。
実際見てみると、フェンシングはとても迫力のあるスポーツだった。ぶつかりあう、ばちん、という音が静かなホールに異様なほど響いて、思わず意識という意識をすべてひきつけられます。
あんなに大きな音がするのに、勝負が決まるのは一瞬。その一瞬の攻防が持つ激しい緊張感で、なんだか自分の心を破壊されているような苦しささえ覚えてしまいました。

それでそのあと唐突に映画が始まりました。

わたしは全然知らなかったのだが、無声映画って活弁士による説明があるんだね。
その活弁士が、坂本頼光という人で、その人の語りがほんとうにうまかった。映画の出演者すべての吹き替えと、語りとをひとりでやっているんだけど、ひとりで喋っているのがはっきりわかるのにその人の中にあるいろんな人格が話しているみたいな錯覚に陥った。あの奇妙さはなかなか味わえるものではないね。精巧すぎて、完成度が高すぎて、ひきこまれすぎて、逆に客観視しちゃう感じです。


そんな彼の語りとともに始まった、「雄呂血」
日本の無声映画を代表する有名な作品です。

オーケストラの壮大な演奏に圧倒され、初めて見る無声映画の見方がよくわからないまま・・・・

就寝。。。

ストーリーは、
主人公が誤解によって塾から出されたり果ては村を終われ、牢に入れられ・・・
彼自体が悪いわけではないのに、タイミングが悪かったりで勘違いされてしまう。
最後は役人達に囲まれ、闘ううちに気付くとまわりには死体が転がっている。
そこで抵抗をやめ、捕らえられる。
という、救いも何もない話です。

最後に
「高潔な人格者が真に善人であるとは限らず、
 ならず者と称するものが真にならず者であるとは限らない。
 善人の仮面の裏は大偽善者である者が多い」
みたいなことを言っていたのが妙に心に刺さりました。

でも、それより何より怖かったのが、
人がどんどん切られていくところ。

主人公は自分の身を守るために役人をばっさばっさと切ります。気付くと、まわりは死体だらけ。そこでふと我に返り、「ついに人を殺してしまった・・・・」て言うんだけど、敵を人間としてカウントしていない感じが、とても怖かった。
仲間や、惚れた女のためには命を張るのに、「敵」にカテゴライズされる者の命は自分よりも下にあるのだなあと。それが映像になり「殺戮」を肯定しているなんて、、、こわい、と思いました。
身近な人に死んで欲しくない、という感情は結局「自分が死にたくない」という感情の延長戦上にあるものだとおもうのです。
なぜなら、身近に感じるという行為が、自分の延長線上に相手を感じることだと思うから。だから、相手には苦しんで欲しくない。それは自分の苦しみだから。

でも、自分以外だと認識した人は死んでもかまわない。

それはきっと、真理なのだろうけれど、
でもそれにしても「死」に対する意識が希薄であるように感じた。

美しく壮大なオーケストラの演奏、
淡々として美しい白黒無声映画の映像、
スポーツと化した剣技が織り成す静かで濃密な世界。

そこにあったのは、穏やかに浮かび上がる、
他人の「死」への、
無関心。

 

次の日の夜、ひとりで家にいるときに
じわりと心に広がったのは、こわい、という感情でした。

 


そんな素敵なイベントでした。
寝なきゃ良かった・・・寝なきゃ良かったよ


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